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縮毛矯正には核となる6っの基本があります。
他の美容室と矯正屋の縮毛矯正の違いについて質問される事が多いのですが特に大きな違いなんて何もないのです。
違いがあるとすれば、縮毛矯正の基本中の基本プロセスをどれだけ重要視しているのか?の違いだけだと思うのです。
綺麗で質のよい縮毛矯正を行うために大切な6っの基本プロセスがあります。
この6つの基本をしっかりと抑えておけば、良い縮毛矯正が出来るように成ることは間違いないです。
6っの基本プロセスとは
- 「選」つまり薬剤や技法を選ぶと言う事
- 「塗」つまり薬剤の塗布方法
- 「洗」つまり洗い流すという事
- 「乾」つまり髪を適度に乾燥させると言う事
- 「熱」つまりアイロンワークにおける熱の入れ方
- 「酸」つまり酸化のさせ方と言う事
「選」と「塗」とは、どちらも「薬剤」に関わるプロセスの事で、「薬剤を選ぶ」と言う作業と「薬剤を塗る」と言う作業の事です。
薬剤を選ぶ事の重要性
言うまでもありませんが、お客様の髪の状態に会った薬剤を選ぶ事が最重要な課題となります。
薬剤選定を間違うという事は、インフルエンザの患者様にアレルギーのお薬を処方するような事ですので、それがどれだけ大きなミスなのかは誰にでも容易に理解できると思います。
この一番最初のステップを見誤ると、後のプロセスをどれだけ丁寧に行った所で美しいストレートヘアを作る事は絶対に出来ないのです。
では!どうやって(何を基準として)お客様の髪の状態に会った薬剤を選ぶのか?と言うと・・・
それを言葉や論理で説明する事は出来ません。
何故ならそれは「勘」と言われる非科学的なもので判断しているからです。
「勘」とは「経験値」と言い換えてもいいかも知れません。
沢山の縮毛矯正を経験し、数多くの薬剤と髪に触れ続け、その中で多くの失敗と成功を繰り返し続けてきた「経験値」が「勘」となり、この髪にはこの薬剤で・・と言う答えを出しているのです。
科学的に明確な理由で薬剤を処方できる医学の世界とは違い「勘」と言うあやふやな理屈でしか薬剤選定できないのが縮毛矯正の現状です。
しかし、この「勘」と言うものは中々に侮れない精度を持っているのです。
その精度は年々向上しアップグレードされ続けて行くコンピューターのようなもので、最初は低グレードのポンコツなコンピューターが年々アップグレードされ、数年後にはハイスペックコンピューターに進化していくわけです。
だから施術する技術者によって大きな差が出るのが縮毛矯正なのです。
縮毛矯正におけるカウンセリングは、通常の美容室で行うカウンセリングとは少し違います。
縮毛矯正におけるカウンセリングは、カットやパーマのようにヘアースタイルを作る施術ではないので、お客様の好みや志向を聞き出す必要が全くないわけです。
スタイルブックを見せる事もありませんし、お客様と相談しながら築きあげていくような作業ではありません。
私が行うカウンセリングは、病院でお医者様が行う問診のような感じなので実に事務的な印象を受けると思います。
薬剤は数種類準備しています
全ての髪質に対応できるように数種類の薬剤を用意しています。
- オグリコール酸系の薬剤(ハードタイプ・ソフトタイプ・ライトタイプ・酸性タイプ・チオグリコール酸原液)
- 酸性システィン系の薬剤
- 酸性サルファイト系の薬剤
- システアミン系の薬剤(ハードタイプ・ソフトタイプ)
- GMT
- スピエラ
薬剤の持っているパワーの強弱は
- 還元剤の種類と濃度
- アルカリ剤の種類と濃度
- pH(アルカリ性・酸性を示す数値)
この3つによって決まります。
もちろんパワーの強い薬剤のほうが、髪に与えるダメージ度は強くなります。
だから、髪の状態にあった薬剤を慎重に選ぶわけですが、最終的に頼る要素は勘と言う非科学的なものになるわけです。
薬剤を塗布する
薬剤のパワーをコントロールするのは
- 還元剤の種類と濃度
- アルカリ剤の種類と濃度
- pH(アルカリ性・酸性を示す数値)」
だと言いましたが、薬剤の塗布量によっても薬剤のパワーをコントロールする事が出来ます。
それを「作用量」と言い、矯正屋の薬剤塗布はこの「作用量」を激しく意識しながら行います。
髪の生えている場所によって1パネルごとに条件は複雑に入り組んでいまので・・・
- この部分には厚めに薬剤を乗せる
- この部分は薄く薬剤を塗布する
という事を1パネルごとに調整しながら行っていくわけです。
非常に地味な作業ですので、一見すると違いが分からないと思います。
だからお客様には「他店と同じ事しかしていないのに・・・」と、同じ事をしているのに結果に違いが出る事を不思議がられる方も少なくありません。
そもそも論ですが・・・
確かに同じプロセスをしているのですが、その内容は全く違うという事です。
なぜならそれは、経験値の全く違う技術者が行っているわけですから、同じような作業をしていても全くの別物なのです。
絵画でも料理でもスポーツでも、どんな分野でも上には上があります。
同じ材料と器具を使っても味に差は出ますし
同じボールとバットを使っても一流と三流の差はうまれるのです。
経験値とは、深く長く体験しないと得られない知識です。
経験値という深く長く体験しないと得られない知識で世の中は進歩しているのです。
だからこそ私は「勘」と言われる非科学的なものを大切に考えているわけなのです。