「水抜き」と呼ばれる髪の水分コントロール
縮毛矯正の1剤を洗い流した後に髪をドライしてからアイロンワークに入るわけですが、このドライも縮毛矯正の伸びや持続性に大きく関わってきます。
アイロン前のドライで、何が大切なのかと言うと「水抜き」と呼ばれる髪の水分コントロールです。※ドライコントロールとも呼ぶ
要するにアイロンを入れる際の髪の水分量によって、縮毛矯正の伸びが決まって来ると言う事です。
髪を乾かし過ぎて水分が少なすぎるとると、たんぱく質の動くスキマが無くなり真っ直ぐな形状には成りません。
逆に、髪の水分が多すぎるとビビり毛の原因や火傷の原因になり取り返しがつかない状態になります。
縮毛矯正の上手い美容師は、この水分コントロールが上手く出来ている美容師だと言えるのですが、この水分コントロールも時間の経過とともに髪は自然乾燥していきますので、どの部分をどれぐらい湿らせておくのかと言う加減が非常に難しく経験値の低い技術者には難しいテクニックだと言えます。
水分コントロールを簡単に行う方法
理想的な水分コントロールを習得する為には結構時間がかかる訳なのですが、比較的に簡単に理想的な水分コントロールを実現できる方法があります。
それは、ある程度しっかりと乾かした髪に「シクロメチコン」※いわゆるシリコンオイルを噴霧してからアイロン処理するという方法です。
シクロメチコンを縮毛矯正のアイロン前に噴霧する事で、水で湿っているのと同じような状態が作れますので、たんぱく質の移動に必要なスキマを十分に確保する事が出来ます。
その結果、少ない還元作用でも、しっかりとよく伸びます。
また、水と油とは沸点が違いますので、アイロン熱によるビビリ毛等のトラブルも起こりにくくなります。
ただし・・・
シクロメチコンがアイロン熱により揮発した気体を吸うことは身体にあまり良くありません。
お客様は低い位置にいますので大丈夫なのですが、施術者はモロに揮発した気体を顔に浴びる形になります。
なので、この方法で施術する場合はサーキュレーターなどで空気の流れを作るなどの工夫をすることをお勧めします。
僕はそのままでやりますけど、人によってはゴーグルとマスクを着用し揮発した気体が瞬時に飛び散るようにファンを回し
って・・・かなり慎重な状況でやる方もいますね。
この様に髪に残す水分量一つで結果が変わってきますので、その匙加減を習得する為には多くの経験値が必要と言う訳です。
結局のところ縮毛矯正で最も大切な事は「経験値」だと言う事です。