縮毛矯正の基本プロセスとは「選」「塗」「洗」「乾」「熱」「酸」と言う6っのプロセスです。
この、縮毛矯正に必要な6つのプロセスの一つ一つを、どれだけ正しくしかも高レベルで行うかと言う事が他の美容室と矯正屋の縮毛矯正の違いだと言えます。
- 「選」薬剤や技法を選ぶと言う事
- 「塗」薬剤の塗布方法
- 「洗」洗い流すという事
- 「乾」髪を適度に乾燥させると言う事
- 「熱」アイロンワークにおける熱の入れ方
- 「酸」酸化のさせ方
今回のブログでは、その中でも「塗」と言うプロセスにフォーカスして書いてみたいと思います。
薬剤の塗布では作用量を意識する
別のブログで薬剤のパワーをコントロールするのは
- 還元剤の種類と濃度
- アルカリ剤の種類と濃度
- pH(アルカリ性・酸性を示す数値)」
だと言いましたが・・・
もう一つ薬剤のパワーをコントロールする事柄があります。
それは「塗布量」です。
どれだけの量を髪に乗せるか?によっても髪が薬剤に反応するパワーをコントロールする事が出来ます。
それを「作用量」と言い、矯正屋の薬剤塗布はこの「作用量」を激しく意識しながら行います。
髪の生えている場所によって1パネルごとに条件は複雑に入り組んでいまので「この部分には厚めに薬剤を乗せる」「この部分は薄くする」という事を1パネルごとに調整しながら行っていくわけです。
特に生え際や襟足などはどんな方でも髪が弱いので殊の外細かく分類して塗布を行います。
これらは非常に地味な作業ですので、一見すると違いが分からないと思います。
確かに同じプロセスをしているのですが、その内容は全く違うという事です。
絵画でも料理でもスポーツでも、どんな分野でも結局は同じプロセスや同じ材料でも人によって出来は全く違う訳です。
知識だけを得て解った気になっていても、世の中には知らない事が沢山あって、深く長く体験しないと得られない知識で溢れていると言う事なのです。
だからこそ私は「勘」と言われる非科学的なものを大切に考えているわけなのです。
このプロセスが縮毛矯正の出来の90%を決めると言っても過言ではないのです。
だからこそ僕は、このプロセスに全神経を使っています。
縮毛矯正 とは必要な箇所に必要なことをし不必要な箇所には何もしない事が大切
不必要な箇所とは、すでに縮毛矯正をしている部分の事です。
縮毛矯正で一度ストレートにした部分が癖毛に戻ることはありませんので、前回に施術した部分に髪の負担になる薬剤を使う必要は一切ない訳です。
毎回・毎回、根元から毛先まで薬剤処理をするような無理な事をするから髪にトラブルが起こるわけです。
確かに、前回の縮毛矯正をした部分が荒れていたりすることもあり、その荒れた部分に薬剤処理をすることでその場ではキレイに収まることもあります。
しかし一見キレイに収まっているように見えても、それはその場だけのことで、実際にはダメージは進行しているわけです。
そんなダメージが、毎回の縮毛矯正で蓄積されていけば、お客様にとってもダメージの連鎖に陥るだけで、いつか必ず臨界点を越えて大変な状態になる事はあたりまえです。
ですので矯正屋では基本的にリタッチしか行いません。