こんにちは大阪の縮毛矯正専門店・矯正屋の辻です。
昨日YouTubeを見ていて気になるショート動画を見つけたので緊急でブログを書いています。
美容師である僕にとってもかなりショッキングなショート動画で、お客様の立場としても、SNSユーザーとしても、美容師としても色々と考えさせられる動画ですので僕の考えを書いてみました。
その気になる動画のサムネイルがこちら⇓
目次
すき家のネズミの件から考えるSNS投稿の危険性
「客の髪をズタボロにして逃走した美容師」ってどう言う事?
サムネイルに悪意を感じます。と言うか悪意しか感じません。
とりあえずこれは内容を確認したくなります。➡YouTube動画はこちら
動画で語られている話しはシンプルです。
髪に非常に拘っているお客様が美容室に行って酷い目に会ったにも関わらず美容師の対応が悪かったって話ですが・・・
そもそもこの動画って
- その被害にあったお客様ご本人が投稿しているのか
- 被害にあったお客様の知人が投稿しているのか
- 全く関係ない第三者が投稿しているのか
誰がどの立場で投稿しているのかによって意味合いは大きく変わると思うのですが、その関係性が一切解りません。
僕の想像では「全く関係ない第三者」が、何かでこのトラブルを知って勝手に動画を作成し投稿したのでは無いのかな?と思います。
トラブルに遭った本人がこんな投稿をしても何のメリットも無いので、一般的に常識のある方ならこんな投稿はしない気がします。
いずれにしてもこうした投稿はやめるべきです。
何故ならその美容室の店舗名や担当者の実名までも晒したうえでの投稿だからです。
美容師だから美容師の肩を持つわけじゃありません。
投稿者さんの為にこうした投稿はやめておくべきといっているのです。
ましてや、この投稿が被害にあったお客様ご本人の物ならなおさら止めておくべきです。
怒りを抑えられない気持ちは解りますが、美容室の店舗名や担当者の実名を晒した投稿をすると言う事は、今度は自分自身が加害者になる可能性がある訳です。
すき家のネズミの件:民事裁判ではバランスを重視
すき家のネズミの件の場合のように例え店側に非があったとて、SNSで晒すのは営業妨害に当たり逆に訴えられる恐れがあります。
非があるのは、すき家なのに営業妨害で訴えられるのは納得できない気がする方も居るかもしれませんがSNSで実店舗を名指しで晒すのは営業妨害になる可能性が非常に高いのです。
すき家の場合は今回の件で一時的に閉店に追い込まれ、それだけでも約30億円の営業被害があったらしいです。
それだけでは無く株価の下落などを考えると理解不能な損害額になる訳です。
民事裁判では紛争を適正かつ公平に解決することが理想とされているのでバランスを重視します。
すき家の莫大な額の被害額と、ネズミを提供されたお客さんの精神的被害とでは全然天秤(バランス)が合わないのでSNSで晒すのは営業妨害に当たりすき家が勝訴する可能性が高いわけです。
今回の動画も同じように例え美容室に非があっても、美容室側が受けた損害とお客様が受けた損害のバランスによっては美容室側が勝訴する可能性だって十分にある訳です。
大切にしていた髪をボロボロにされたあげく訴えられて損害賠償まで取られたら悲惨以外の何者でもありませんよね。
この動画のコメント欄を見てみると
これは拡散すべき案件
こういう系で名前ちゃんと教えてくれるの助かるし、珍しい
弁護士たててるみたいだし、しっかり賠償請求してほしい。労力とか精神的にきつくて本当に大変だと思うけど応援してる。
など実名を晒した投稿を肯定する声が多くありますが、例え許しがたく腹が立ったとしてもSNSで実名を晒した投稿をするべきでは無いのです。
このケースの場合は直接この美容師を訴えて損害を賠償してもらうのがベストな方法です。
確かに自分のミスを棚に上げて理不尽な対応をする美容師は少なくありませんが、そうしたトラブルに巻き込まれた時こそ冷静になって対処する事が大切だと思います。
これを見たあなたも・・・
万一美容室でトラブルに会った際はくれぐれもSNSなどで実名で投稿する事は控えてくださいね。
それがあなたの身を守るベストな方法です。
もしそうであって、万一訴えられたら問答無用で100%損害賠償を請求されるでしょう。
まぁ、その場合は自業自得で同情の余地は無いですけどね。
もし矯正屋が当事者の美容師ならどうするのか?
まず僕がこのトラブルを起こした美容師だとしたら
大前提として「そもそも施術を受けてはいない」と言うことが言えます。
例え要望の施術がトリートメントだとしても、エクステをしている髪に施術をすると言う事は髪が縺れてグチャグチャになる事は容易に想像できます。
そんなリスキーな仕事を受ける事はお客様にとっても美容師にとっても得策ではありません。
なので一番最初の段階で丁寧に説明し施術をお断りすると思います。
仮に施術を行い同じような状態になったとしたら
当然素直に謝り全てを保証します。
髪がグチャグチャになったとは言え、トリートメントでのトラブルなので縮毛矯正でのトラブルとは違いダメージが出た訳ではありません。
髪の縺れを解消し、同じようにエクステをすれば元通りになる話ですので、エクステ代金を含めた諸々の保証をすればお互いに拗れなかった話だと思います。
いくら羽エクステが高価だと言った所で、お客様と拗れ店の評判が下がる事を考えると微々たる金額です。
その微々たる金額をケチった事が、この北海道の美容師さんの一番の手痛いやらかしだと思います。
もしもこのようにSNSで実名投稿されたら
それは勿論、営業妨害で訴えます。(キッパリ)
当たり前の話しで、僕には自分の店を守る責任がある訳です。
例え僕に非があってお客様に損害を与えてしまったとしても、SNSで実名で投稿されるのは全く別の話しです。
僕に非があってお客様に損害を与えてしまったら
それはそれで謝罪し必要な保証(金銭を含む)は致します。
しかしそれ以上にSNSで実名で投稿され損害を受けるのは全く別の話しなのです。
もし僕がこの北海道の美容師さんのようにSNSで投稿されたら
- 被害に遭ったお客様には被害に見合った損害賠償をします
- その上でSNS投稿者に対して損害賠償を請求します
ネット上に店の名前や所在が解る形で「お客側としての思い」を書いていいのは口コミのレビューだけです。
その口コミのレビューだって、嘘や悪意のある誇張した口コミは訴えられる恐れもあります。
今や誰もが簡単に発信できる時代になったからこそ、自分の発信には責任を持たないといけないと思います。
あと、当該の美容室は口コミを見る限りかなり評判の良い美容室のようですので恐らく技術的にもレベルの高い美容室なのでしょう。
口コミの件数や内容から今回のトラブルは当該の美容室にとってはレアなケースのように感じますので、それだけに対応の誤りによるお客様との拗れが残念に思います。
美容師と言えども人間ですからミスを起こす事はある
美容師をやっていると技術的な失敗やお客様とのトラブルを起こす可能性はゼロではありません。
大切なのはミスを犯した時にどのように対処すべきなのかと言う事です。
その対処の仕方の第一歩を間違えると、今回の北海道の美容師さんのように話が拗れてしまい店を悪評に晒されると言う最悪の事態を招くわけです。
今回の北海道の美容師さんが愚策とも言える最悪の対応を何故してしまったのか?
それは「失敗したらどうする」と言うシナリオを用意していないからだと僕は考えています。
失敗した時のシナリオを持たずに仕事をしているので、いざその想定していない失敗が起こった時にどうすれば良いのか?が解らずに思わず「逃げ」に走ってしまったのだと思います。
これは北海道の美容師さんに限らず多くの美容師にありがちな話しだと思いますので「失敗した時のシナリオ」は各自で用意しておくべきだと思います。
色々と考えさせられる動画でしたが、皆さんもSNS投稿等はくれぐれも気を付けて下さいね。