「これって摩擦のせいですか?」
先日、お客様からこんなLINEが届きました。
『ヨギボーでくつろいでいたら、髪がギシギシ・パサパサになってしまって…
でも枕ではそんなことないんです。不思議じゃないですか?』
──じつはこれ、美容師の現場でも“あるある”なご相談。
特に髪の細い方・猫っ毛の方にとても多い現象です。
この記事では、その原因と対策をプロの視点でわかりやすく解説します。
「なんか最近、髪がゴワつく」「まとまりにくい」と感じているあなたにも、きっと役立つはずです。
目次
ヨギボーで髪がギシギシ・パサパサになる理由

ヨギボーって、めちゃくちゃ気持ちいいんですよね。
あの“体が包み込まれる感覚”、一度ハマると抜け出せません。
まさに**「ダメ人間製造機」**(←褒めてます)。
でも実はその快適さの裏で、髪にはわりと過酷な環境が生まれています。
特に髪の細い方・猫っ毛の方にとっては、知らないうちに“摩擦ダメージ”が蓄積していることも…。
✅ 1. 摩擦(静電気)によるダメージ
ヨギボーの表面素材(多くはポリエステルやスパンデックス系)は、髪とこすれることで静電気が発生しやすい特徴があります。
この静電気が、髪のキューティクルを開かせたり剥がしたりして、手触りがギシギシ・硬く・パサついたように感じられるのです。
✅ 2. 素材の密着性とこすれやすさ
一般的な枕はコットンやシルクなど滑らかな布地が多いのに対し、
ヨギボーは伸縮性が高く、頭が沈み込む構造。
髪が生地に強く押しつけられ、広範囲でこすれる状態になりやすいため、摩擦による負担が増えます。
さらに、汗や皮脂が付着することで髪が汚れやすくなり、パサつきやゴワつきを助長することも。
枕では平気なのにヨギボーでなるのはなぜ?

枕は髪に優しい素材(コットンやシルクなど)が多く、摩擦が少なく静電気も起きにくい。
ヨギボーは密着性が高く、髪と長時間触れ合うことで、より強い摩擦・静電気が起きやすい環境になる。
つまり、ヨギボーは構造と素材の両面で“髪に厳しい”条件が揃ってしまっているのです。
ヨギボー使用時の髪ダメージを防ぐ4つの対策
① 髪とヨギボーの間に布を挟む
シルクのスカーフや柔らかいタオルを敷いて、直接的な摩擦を軽減しましょう。
② ヘアオイルや洗い流さないトリートメントを使う
髪に潤いと保護膜を与えることで、外部刺激に強くなります。
③ ヨギボー使用時は髪をまとめる
軽く結んだり、帽子やナイトキャップをかぶるだけでも髪の広がりや接触面積を減らせます。
④ ヨギボーにカバーをかける
滑らかな素材のカバーを使えば、直接こすれる摩擦を減らせます。
実はこれ、多くのお客様にも起きている現象です

当店でも、実際にこういった髪の悩みを抱えるお客様はとても多いです。
特に…
髪が細い方
猫っ毛の方
ブリーチや縮毛矯正など、ダメージ履歴のある方
に多く見られるのが、後頭部の“ぱやぱや毛”や切れ毛のような毛羽立ち。
これらの多くは、紫外線や薬剤ダメージではなく、“寝具との摩擦”という物理的な原因によるものなんです。
寝具との摩擦を根本から減らすには?
✅ 枕カバーを「シルク素材」に変える
もっとも手軽で効果的なのが、シルク100%の枕カバーを使うこと。
摩擦が少なく、キューティクルを守ってくれる
静電気を起こしにくく、髪が広がらない
吸湿性と保湿性に優れ、髪にも肌にもやさしい
特におすすめなのは【19〜22匁(もんめ)】の天然シルク。
Amazonや楽天でも「シルク枕カバー」と検索すれば多くの製品が出てきます。
💡【注意】「サテン風」「シルク調」などの表記はポリエステル製のことが多く、効果がまったく異なるので要注意です。
✅ ナイトキャップとの併用でさらに効果アップ
髪の長い方や、しっかり髪を守りたい方にはシルク製のナイトキャップもおすすめ。
髪全体を包み込み、寝返りのたびに起きる摩擦をブロック
水分の蒸発も防げるので、朝の乾燥・広がりを防げる
「内側シルク/外側コットン」のタイプはズレにくく、快適に使えます
❌ 逆にNGな素材は?
以下のような素材は、摩擦や静電気を起こしやすいため、できるだけ避けるのが◎
ポリエステル100%、マイクロファイバー
パイル地や起毛タイプのタオル地
サテン風のツルツル素材(実は化繊)
どれも柔らかそうに見えても、髪にとってはダメージのもとになっている可能性があります。
✨ 最後に
髪のダメージというと、「カラーやアイロンが原因」と思われがちですが、
“何と触れているか”という毎日の小さな積み重ねが意外と大きな差になります。
もしあなたが「朝、髪がまとまらない」「後頭部だけ毛羽立つ」など感じていたら──
それは寝具からのサインかもしれません。
道具を変えるだけで、髪はもっとやさしく守れます。
ぜひ今日から、できるところから試してみてくださいね。


