「化粧品で 縮毛矯正 をするから」とか「コスメ系薬剤だから安心」と言われると、確かになんとなくそんな感じがしてきます。
しかしそれは全くの誤解なので注意してください。
縮毛矯正の薬剤の分類は大きく2分類に分かれます。
美容室のパーマや縮毛矯正で使う薬剤は大きく分類すると「化粧品登録の薬剤」と「医薬部外品登録の薬剤」の二つの分類に分けられています。
この二つを分類する基準は、基材となるなる還元剤・アルカリ材の配合濃度によって分類しています。
還元剤・アルカリ材の種類も豊富なので、薬剤の特徴的には相当多くの薬剤が世の中に存在しているわけですが・・・
それらは、あくまでも法律で決められた既定の中で作られた薬剤なので、そう大きな違いは無いように思います。
ですので、薬剤の種類の事を、お客様が気にする必要は一切ありません。
では・・・
何故その「気にする必要が無いもの」をあえて書いたのかと言うと・・・
「化粧品で縮毛矯正をするから」とか「コスメ系薬剤だから安心」と言いながら、お客様の髪を安易に施術する美容師が意外なほど多いからです。
コスメ系薬剤と言っても、それは決して安心でも安全でもなくて、要するに髪の毛を傷めるお薬の一つなのです。
結局のところダメージは同じ
薬剤の強さ(強さによるダメージ度)は「還元剤の種類と濃度」「アルカリ剤の種類と濃度」「pH(アルカリ性・酸性を示す数値)」によって決まります。
「化粧品登録の薬剤」だろうが「医薬部外品登録の薬剤」だろうが、このメカニズムは同じなのです。
そしてこの区分けは、還元剤の種類やアルカリ剤の種類を区分けしているものでは無く、あくまでもその配合濃度を規定し区分けしているだけに過ぎないのです。
どちらの分類の薬剤を使ったところで、髪に化学的な作用と物理的な作用を与えて、最終的に髪の形状を変えるわけですからどちらのリスクも大差ないと言う事が言えます。
むしろコスメ系のほうがヤバい
規定されているアルカリ濃度に注目してください。
医薬部外品
還元剤濃度2%~7%
アルカリ度7ml以下
化粧品登録
還元剤濃度7%以下
アルカリ度{上限なし}
これはあくまでも私の感覚的なものなのですが、髪のダメージに対する影響度が大きいのは、還元剤よりもアルカリ濃度のような気がします。
そのアルカリ濃度が上限なしって・・・
普通に考えてかなり危険な香りがしませんか?
還元剤濃度の値もほぼ同じなので、これでは「コスメ系薬剤だから安心」なんて絶対に言えるわけが無いですし、そもそも二つに分類する意味なんて見当たらないのです。
昔は還元剤濃度の上限が2%以下だったので、まだ棲み分けする意味もあったのだと思いますが、規制緩和され還元剤濃度の上限が7%以下になった現在では二つに分類する意味なんて見当たらないのです。
結局のところ髪の状態にあった薬剤を見極められる事が一番大切だと言う事
「化粧品登録の薬剤」と「医薬部外品登録の薬剤」と言う言葉のマジックによって騙されてしまうお客様はかなり多いです。
誰しもが「化粧品で縮毛矯正をするから」とか「コスメ系薬剤だから安心」と言われると、確かになんとなくそんな感じがしてきます。
しかしそれは全くの誤解なので注意してください。
そして・・・
そんな事を言う美容師や美容室は少し疑って見たほうがいいと言う事です。
「コスメ系薬剤だから安心」なんて言う馬鹿げた事を平気で言う美容師に騙されな事を願っています。